海外から日本に貨物を輸入する場合は国家資格に合格した通関士による申告が必要ですが、他国での制度についても気になりましたので調べてみました。
今回対象としたのは、世界の輸入額の国別ランキング上位であるアメリカ、中国、ドイツの3か国です。
各国の税関当局ページのリンクも貼っておくので(ソースは記載しています)、確実な情報に関してはそちらを確認ください。
なお通関士試験は、難関の国家資格で、試験は年たったの一回のみ!
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1:アメリカの通関士制度
まずは、世界の輸入額国別ランキングで№1のアメリカからです。
アメリカ合衆国税関・国境警備局によれば、アメリカにおいても「Customs Broker License Examination」という日本同様の認定通関士試験が実施されています。
※ソース:Customs Broker License Examination
合格率は平均約15%と難関資格に位置付けられていて、この資格に合格することで「Licencsed Custom Broker」と名乗れます。
ただ、日本の制度とは異なり、貨物を輸入するために、必ずしも認定通関士が必要とはされていなく、強制力は薄いようです。
※ソース:WHEN DO YOU NEED A CUSTOMS BROKER?
2:中国の通関士制度
下図の通り、中国では日本同様に通関士制度が整備されているようで、貨物の輸出入には国に登録された認定の通関士が必要とのことです。
※ソース;Registration of Customs Brokers
また、中国では海外企業との取引に制限があり、一部の信頼の高い企業のみ中国でのビジネスが行うことができるようですが、その取得のために「通関員がいること」が定められているといった記載もありました。
3:ドイツの通関士制度
Wikiの情報で申し訳ないのですが(調べまくったのですがヒットせず)、ドイツはEU域内の国ですので、通関制度に関してもEUの基準に従うことになっているようです。
そして現状EUでは、日本とは異なり、通関士に免許制度(License)はないとのことです。
※ソース:Wikipedia
結論
今回はアメリカ、中国、ドイツの3か国を調査してみましたが、欧米では日本と異なり、通関士は免許制度にはなっていないことがわかりました。
一方、通関に必要な書類は各国複雑になっているようで、その通関業務を代行する「通関業者」はいるようなので、日本国内で得た通関知識を海外で生かして働くことは可能でしょう。
ただ通関制度は、各国毎に異なります。
法改正もありますので、通関士として活躍し続けるためには継続的な勉強は必要ですし、
何よりも現地の言葉が読み書きできることや、商習慣の理解も合わせて必要でしょう。
※参考:通関士の学習方法のまとめ