第四次産業革命スキル習得 全128講座を独自に徹底分析


第四次産業革命スキル(Reスキル講座)に認定されている講座は、下記の経済産業省のURLからPDF版で一覧が見られるのですが、そもそも認定講座数も多く、また講座名が類似しているものが多かったりで、パッと見ても分かりずらいです。

これではせっかくのいい取り組みなのにもったいないです。

 

下図が2023年7月時点のリストです。

講座一覧

このリストだと、講座の詳細情報が記載されてないので、各講座の違いが比較検討しにくいのが難点。

 

また講座名に関しても、似ている講座名のものが多いのです。

例えばこのリストにあるデータサイエンス系の講座は50あるのですが、この講座の中に「AI」が入っている講座はざっと11講座もあります。

つまり、リストの講座名だけを見たところで、講座の内容や具体的に学べること、スケジュール感やコスト感が分かりにくく、講座が自分のニーズに合っているものなのか判断がつきずらいです。

 

そこで今回これらの講座を私なりに独自の軸で分析させていただきました。

補助金を使って将来のためにキャリアアップされたい方は参考にしてみてください。

 

講座総数とカテゴリー分け

さて、まず講座の総数です。

2023年7月時点でリストに掲載されている講座総数は128です。

 

内訳としては、下記の通りです。

クラウド、IoT、AI、データサイエンス:112
ネットワーク・セキュリティ:10
IT利活用:6

この切り口で分けた理由は不明ですが、IoT、AI、データサイエンスに講座が寄っていることが分かります。

 

対象の事業者の数(法人数)

今回対象講座数は128ですが、開催している事業者総数がかぶっているものもあります。

1つの事業者(リスト上は法人名)が複数の講座を開講しているケースです。

ということで、事業者を軸にすると、事業者数は合計56となります。

つまりおおよそ1事業者が2講座程度提供しているということです。

 

以下がリストをピボットして、事業者×講座数で降順に並べ替えた結果です。

法人名 講座数
キラメックス株式会社 18
スキルアップAI株式会社 18
株式会社アイデミー 7
Kodama合同会社 4
インターネット・アカデミー株式会社 4
株式会社div 4
株式会社キカガク 4
株式会社データサイエンス研究所 4
NABLAS株式会社 3
株式会社Branding Engineer 3
株式会社zero to one 3
株式会社データミックス 3
デジタルハリウッド株式会社 2
ヒートウェーブ株式会社 2
一般社団法人JAIST支援機構 2
株式会社D4cアカデミー 2
株式会社インフラトップ 2
株式会社グローバルテクノ 2
株式会社ディジタルグロースアカデミア 2
株式会社データラーニング 2
株式会社テックアイエス 2
Code Chrysalis Japan 株式会社 1
Code Chrysalis Japan株式会社 1
Institution for a Global Society 株式会社 1
INTLOOP株式会社 1
Modis株式会社 1
NECマネジメントパートナー株式会社 1
エッジテクノロジー株式会社 1
シーティーシー・テクノロジー株式会社 1
テービーテック株式会社 1
ネットワンシステムズ株式会社 1
ワークスアイディ株式会社 1
一般財団法人リモート・センシング技術センター 1
一般社団法人データビリティコンソーシアム 1
一般社団法人高度ITアーキテクト育成協議会 1
一般社団法人数理人材育成協会 1
一般社団法人日本電子回路工業会 1
一般社団法人日本能率協会 1
株式会社CODOR 1
株式会社Present Square 1
株式会社アルベルト 1
株式会社エンベックスエデュケーション 1
株式会社クロスリアリティ 1
株式会社シーラクンス 1
株式会社ダイビック 1
株式会社デジタルハーツ 1
株式会社バルクホールディングス 1
株式会社ブレインパッド 1
株式会社ポテパン 1
株式会社管理技術ラボ 1
株式会社日立アカデミー 1
公益財団法人ひろしま産業振興機構 1
国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 1
東京大学エクステンション株式会社 1
日本電気株式会社 1
北九州工業高等専門学校 1

キラメックスとスキルアップAIがそれぞれ18講座も提供していることがわかります。

キラメックスという会社名はあまり聞かないですが、TechAcademyと言われると分かる方も多いのではないでしょうか。データサイエンス系のコースを4週間~24週間と様々な期間で提供しているのが特徴です。

そして3位は、アイデミー で7講座。アイデミーは2023年6月に東証に上場した企業です。

 

特化型と汎用型のデータサイエンス系講座

さて、112講座と講座数の多い「クラウド、AI、データサイエンス、IoT」カテゴリーの講座ですが、細かく分析すると講座の内容が「汎用型」と「業界・職種特化型」に分かれていることに気付きます。

ここでいう「汎用型」というのは、データサイエンスやAI等のテクノロジーを全体的に学習できる内容のことです。

一方「特化型」というのは、特定の業界や職種でのテクノロジーの活用方法を対象としている講座のことです。

これらはデータサイエンスやAIといったテクノロジーに関する知識を学んだ上で、特定の業界(製造業や気象)や職種(マーケティング)に特化して実践的な活用方法まで学んでいくのが特徴です。

既にこうした職種や業界にいる方や、自分が興味がある領域に絞ってテクノロジーの活用方法を学べる点で、より実践に近い形で学べるのです。

例えばAIやデータサイエンスのマーケティング、製造業、メディカル養成講座が該当します。

それぞれの業務に合うような・或いは興味がある講座を申し込むことが重要です。

 

E資格認定を目指す講座

一方、中にはE資格の認定を目指す講座も存在します。

例えば、JDLA「E資格」向け認定プログラムです。

資格を取れば履歴書にも書けるので、学習したことを対外的にアピールできる点では恩恵を受けれます。

このように何か学んだ結果を資格という「形に残したい」人にはおすすめです。

認定講座ではアイデミーのE資格認定講座 が該当してきます。

 

Eラーニングか通学か

比較上もう1点重要なのが、受講形態です。

大きくはeラーニングか通学かがあるのですが、ここは慎重に判断する必要があります。

なぜなら、多くの講座において給付金の支給条件に「出席率」があるからです。

つまり給付金を受けるためにはちゃんと講座を受講して勉強しなければいけません。当然ではあるのですが。

そうすると、仮に通学を選んでしまって途中で何らかの理由で通学ができなくなるリスクがあるのですね。

これは私も税理士を通学で勉強したときの経験ですが、始める前は「いけるっしょ!!」的なノリで始めるのですよね。

でも学習期間が長いものだと予想以上につらくなってきます笑。

勉強も大事ですけど、友達とも遊びたいし、家族との関わりも重要ですからね!

一方通学の場合、同じ場所に同じような志を持った人が集まるので、モチベーションは通信より上がると思います。

また講座の中には「グループワーク」が存在する講座もあり、色んな人との関わりの中で学習する方が効率はいいですし、純粋に色んな人と話せたりできるのは楽しいですよね。

 

転職を目指すかどうか

いくつかの講座には「転職保証」が含まれているものもあります。

つまり、申し込み時点では全く未経験でも、コースの受講を通じてエンジニアとして成長し、最終的には転職まで含めてサポートしてもらうコースです。

エンジニアとしてのキャリアを歩んでいきたいと決めている人はこちらが効果的になってきます。

DMM WebCampの転職保証付きプログラミングスクールが該当します。ただこれは「専門技術コース」しか給付金の対象にならないので注意も必要ですね。

 

その他の要素と全講座リスト

他にも下記のような要素がありますので、各々の講座選びの判断基準の参考にしてみてください。

・開講月:毎月開講している講座もあれば、数か月に1回の開講月のものもある

・料金:補助金は最大70%まで支給されますが、上限の金額が決まっています。記事執筆時点では56万円が最大ですので、中には56万円をフルに使使っても一部は自費の講座もあります。一方、80万円の講座であれば、至急割合70%・最大56万円の支給要件をフルに活用できるので、お得な講座ではあります。

 

受講費等で色々昇順や降順で並べ替えたり、検索してみてください。

 

念のため最新の情報に関しては、経済産業省が公開しているReスキル講座認定制度の説明資料をご覧ください。

 

結論:何がおすすめなのか

これだけ様々な講座があることが分かった中で、どの講座がおすすめなのでしょうか。

個人的に気になった講座としては、下記です。

 

1.IoT系講座

データサイエンスやAI系の講座は比較的多いですが、IoTをカバーする講座は少ないです。

上のリストのカテゴリーを「IoT」に絞っていただくと、講座数にしてたったの7講座しかないことがわかります。

つまり、希少性が高いのです。

データサイエンスやAI系の講座は各社色々出していますが、IoTは開講講座数が少ないので個人的にはおすすめです。

 

2.たくさん学べるコスパ重視の講座

せっかく講座を受けるなら、より多くのことを学べる方がお得感は増します。

そういう点では、「訓練時間」が長い講座の方がより多くの学びを得ることができるとも言えそうです。

そういう意味では、訓練時間が600時間を超えてくるようなテックキャンプの夜間・休日スタイルプランは、実質30万円程度で転職を見据えた学習が進められるので、キャリアを一気に変えたい人にはおすすめと言えそうです。

その点ではTechAcademy辺りがおすすめです。

以上様々な講座を見てきましたが、実際にフィーリングが合うかという点も重要だと思うので、実際に気になる講座があれば話を聞いてみるなどしてみてから判断してみたください。