通関士取得のメリットとデメリット 資格の将来性は?


今回は貿易関連の国家資格では最高峰とされる「通関士」を取得するメリット・デメリットに共有したいと思います。

昨今AI技術の台頭により、「通関士の仕事は将来なくなる」といったネガティブな見解も増えてきています。

いえ、むしろ通関士という仕事は世界的に見ても将来性が高く、その点についても触れていきたいと思います。

 

なお後述しますが、通関士試験はたったの年1回しか実施されません!

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通関士とは?

製品を海外に輸出、或いは輸入する場合、届けたい荷物の詳細が記載された「通関書類」を税関というお役所に提出しなければいけないことが決まっています。

英語ではPacking List(パッキングリスト)と言ったりしますが、実は他にも様々な申告書や請求書を提出しなければいけないと決まっています。

そして「通関士」はこの通関書類の作成や手続きを代行する人です。

※パッキングリストのイメージ図

 

そもそも何故通関士が必要なのか?

実は通関書類の審査は知識を持った有資格者が行わなければいけないと、日本の法令で決まっています。

当然貿易はなんでもかんでも自由気ままに輸出入出来るわけもなく、

法令で輸出入が禁止されている物が定められていたり、特定の輸入品に関しては関税という税金の支払いが必要で、

これらを守ることは他国との円滑な国際関係を築く上でとても大切となってきます。

貿易に携わる会社を「通関業者」と呼びますが、こうした背景もあり、通関業者が税関に提出する書類は、有識者である通関士に審査を行わせ、記名押印しなければなりません

 

通関士を取得することのメリット

通関士を取るメリットとしては、以下のようなことが考えられます。

1.通関士の仕事の需要が高まっている

下記は財務省関税局より発行された「税関業務のレポート」なのですが、ここ数年の輸入申告件数(黄緑色の線)と輸出入件数(灰色線)が急激に増加していることが分かりますでしょうか。

特に輸入申告件数は急激に増加しており、2010年比で2倍以上に膨れていることが分かります。

一方、その業務を裁いている通関士の人数の推移はというと、下表の通り2011年以降ほぼ横ばいということが分かります。

これはつまり、通関業務の需要が高まっていることに対して、通関士の供給が追い付いていないという現状であり、通関士という職種は今市場で求めらている仕事だとうことが分かります。

 

2.グローバルにも活躍できる

特に国際的に活躍したいと考えている人は、「外国における通関士制度」についても気になるかと思いますが、結論から言うと、国内で取得した「通関士」資格は日本国内でしか効力を発揮できませんが、外国にも通関士という制度は存在します。

調べたところ、アメリカ、中国、韓国、カナダ等の様々な国が通関士を国家資格として取り入れています。

もちろん各国の通関士制度はシステムが異なりますので試験に合格する必要はありますし、仕事をする上で現地の言葉や英語がマストになりますが、外資系企業の海外法人で働くというキャリアの選択を広げることも可能となります。

 

3.貿易のプロフェッショナルとして幅広い業界で活躍できる

通関士資格の活かし方で定番なのは通関業務ですが、通関士の活躍の場は何も通関業務に限られません。

例えば税関コンサルタントや貿易コンサルタントなど、コンサルタントとしても活躍することも可能です。

また通関士試験の範囲には、通関業法や関税法といった貿易法務も含まれますので、貿易の法律の専門家としてメーカーの法務担当として活躍することも可能です。

※参考:通関士の学習方法のまとめ

 

通関士を取得することのデメリット

通関士を取るデメリットとしては、以下のようなことが考えられます。

1.忙しく、プレッシャーも高い

現状輸出入取扱件数の増加に対して、通関士側の供給が足りていない人手不足の状況ですので、仕事はかなり忙しいことが考えられます。

また通関士は責任の重い仕事でもありますので、常にプレッシャーを感じながらの業務となります。

 

2.起業・開業は難しい

国家資格の中でも弁護士、税理士、不動産鑑定士といった資格は、個人事業主として開業する方も多いですし、皆さんもそんな会社に縛られない自由な働き方を夢見る方は多いのではないでしょうか。

通関士も確かに国家資格ではあるものの、輸入企業に代わって関税を先払いで納めるための膨大な手元資金が必要であったり、通関業務に付随する幅広い業務をも求められることも多く、ハードルは高いです。

社内起業家として通関業を始めたり、数人の仲間を集めて始めるといった手法は考えられますが、個人で0から始めるのは難しいと言えそうです。

 

通関士の将来性

通関業務はAIに代替されてしまうとか、通関士は将来的になくなるといったネガティブな意見も見られますが、これまで述べたように実際は将来性の高い資格です。

FTA(自由貿易協定)やETA(経済連携協定)といった法規制の緩和によって、国際貿易業務は今後どんどん変わっていきます。

IT技術に支えられて越境ECが普及していくとなると、貿易のプロフェッショナルである通関士はより一層社会から求められる傾向にもあるでしょう。

通関士は大変有望な資格であり、ポテンシャルの高い資格なのです。

 

通関士の申し込み方法

通関士は受験資格がないので、誰でも受験が験能です。

申し込み方法としては、1.郵送による申し込み、2.NACCSを通じた電子申し込みがあります。

なお、通関士試験は1年間の中でたったの1度しか開催されません。

例年10月に実施されますが、受験の申し込みはその2か月前の7月~8月の場合が多いので、申し込み忘れないよう注意が必要です。

 

通関士を取得しよう!

通関士の合格率は10%~15%の難関資格です。

しかも受験のチャンスは年1回のみ!落ちた時の機会損失が大きいのです。

時間をかけて計画的に学習を進めていくことが大切ですし、様々な学習方法を比較検討すべきでしょう。

独学に頼ってもいいですが、ユーキャンであれば直接質問や添削指導サービスもあり、料金もリーズナブルです。

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※参考:通関士の学習方法のまとめ