運行管理者試験(貨物)は、トラックなどの事業用自動車の安全運行を目的とした、国土交通省が認定する国家資格の1つです。
合格率も平均30%程度で、試験日はなんと1年間を通じてたったの2回のみと、資格取得は簡単とは言えません。
私も先日無事に合格出来たのですが、実際に勉強してみて色々感じることはあり、これから資格取得を目指そうとしている人向けに、資格取得のメリット・デメリットについてまとめてみました。
運行管理者試験とは
運行管理者試験は、国土交通大臣が指定する機関が行う検定試験で、「運行管理者」になるために必要な資格を取得するための試験です。
トラックドライバーやタクシードライバーは、ちょっとした事故でも重大事故に繋がってしまう恐れがあります。そこで、事業者が安全に運行業務を行えるよう監督指導を主たる業務とするのが運行管理者です。
運行管理者資格を目指した理由
元々は「モノや人の移動」に興味関心があり、かつて営業をしていた時も自分の訪問ルートの最適化分析や、商圏分析なんかをしていました。
何か体系的に学びたいと考えて色々調べている時に、運行管理者試験を知り、興味本位で挑戦しようと思ったのがきっかけです。
資格取得3つのメリット
実際に資格の勉強をして、合格して感じた資格取得のメリットです。
1.仕事が安定する
運行管理者の仕事内容は、「日々の安定運行を確保」を実現するために、点呼を取ったり、休憩時間を含めた乗務記録を作成したり、ドライバーの指導・監督をすることです。
現在ドライバーとして最前線で活躍されている方でも、運行管理者資格を取得することで、ドライバーのマネジメントといった事務系の仕事でのキャリアの可能性も広がってきます。
不確実な時代ですので、今すぐに考えていない人でも、選択肢を増やしていくことはキャリア上得策だと考えます。
2.手に職
運行管理者資格は国家資格の中でも「必置資格」に分類されています。
必置資格に分類されているということは、事業を行う上で、資格保有者を少なくとも1人は設置しなければならないということが法律で義務付けられているという意味です。
運行管理者資格の場合、保有するトラックの台数が一定数以上増える毎に、必要な運行管理者数も増やさなければならないという決まりもあります。
「事業所あるところに運行管理者あり」という点では、安定して職に就きやすいというメリットもあります。
3.キャリアの選択肢が増える
下図はとある転職サイトにて「運行管理者 貨物」で検索した求人情報の結果です。
ヒットした求人検索結果は2,796とこのご時世の中で求人件数としても多い印象を受けますが、中には応募要件に「運行管理者資格」の保有を必須条件とする求人も散見されます。
応募可能となる求人の選択肢が増えるので、自分が働きたい会社や勤務地を自ら選択することが可能となります。
※参考:運行管理者試験(貨物)に1週間独学で合格出来た勉強方法
資格を取得することの3つのデメリット
基本的にはデメリットなどありませんが、学習前に留意しておいた方がいいことです。
1.仕事内容との相性
運行管理者の仕事内容は、基本的にはオフィスワークが中心です。
ドライバーとして顧客最前線で働くことと比べると、配送先のお客さんと会う機会は減ってしまうかもしれません。
そのため、実際に運行管理者として働いてみると、仕事内容が自分に合わないというケースが発生する可能性は有り得ます。
2.受験資格
実は運行管理者試験には受験するための必要条件があります。
1.実務経験1年以上
2.基礎講習修了又は修了予定の方
この2つの受験資格のうちいずれかを満たさなければ、受験出来ません(試験の申し込みのみなら可)。
基礎講習を受講する場合は、講習のための時間を確保する必要があり、講習は丸3日間なので、大抵の場合は仕事を休む必要が出てきます。
また試験直前だとどこも満席の場合もあり、そもそも講習に参加できない場合もあります。
講習の受講を忘れると受験できませんので事前にキチンと計画しておきましょう。
3.暗記問題が多い
運行管理者試験は、貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法等、試験の大部分が「法律」問題です。
法律系の試験は、基本的には「知っているか知らないか」で正否が決まるので、勉強時間の大半は暗記です。
語呂合わせなんかを使えば効率的に覚えられますが、試験の特徴として法律の暗記が多いということは留意しておくべきでしょう。
運行管理者試験の合格率は平均約30%台と決して簡単に取れる資格ではないですが、しっかりと対策すれば知識や経験が全くない状態からの短期合格も可能です。
みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
運行管理者資格の学習方法
運行管理者試験(貨物)の学習方法は、1.予備校に通うか、2.独学です。
独学でも十分合格が狙える資格ですが、運行管理者試験は試験日が年2回しかないので、不合格だった場合のダメージがでかく、その点を踏まえると予備校に通って確実に合格を目指すという選択も検討に値します。
せっかく勉強するなら、色々比較検討しつつ、最適な手法で資格取得を目指しましょう。
●予備校に通う場合
予備校は、大手が運営しているものだと、ユーキャンが講座を開講しています。後は運行管理者試験に特化した専門の予備校なんかあります。独学での学習と比較すると、費用は高いですが、予備校独自の教材や勉強方法に基づいた、効果的な学習が可能です。また、ユーキャンの運行管理者資格講座は厚生省主導の教育給付金の対象なので、割引が適用される点もお得です。
●独学の場合
独学の場合は基本的には書籍での学習が王道ですが、オンライン学習動画のUdemy でも、関連講座を扱っています。動画はタブレットやスマホでも視聴可能なので、すき間時間を使いやすく、テキストなんかと組み合わせて利用するといいかと思います。