これまでは、専門的な知識や経験が必要とされたグラフィックデザインの領域ですが、時代は変わり、デザイン未経験の一個人でも簡単にグラフィックをデザインできる時代となりました。
それを可能とさせたのが、デザインツールの進歩・進化であり、まだ日本では馴染みの薄い分野かもしれませんが、海外製品を中心にデザインツールの利用は世界的な潮流となっています。
その筆頭サービスの1つが、Canvaです。
海外製品が多い中で、唯一、日本語対応しているサービスです。
便利なツールですが、初めて使うサービスは、色々と不安も多いですよね。
そこで本記事ではCanvaを実際に使ってみた感想を、ユーザー目線で、共有させていただきたいと思います。
SNSで使うロゴやアイコン、ビジネス資料やプレゼンテーションの挿絵等、少し凝ったデザインのグラフィックを使う機会はこれから増えていくと思いますので、参考にしてみて下さい。
【CanvaのGoogle検索推移】
Canvaとは?
Canvaはオーストラリア発のクラウド型グラフィックデザインツールです。
従来のデザインツールとは異なり、操作が簡単・シンプルなので、デザイン知識・経験のない個人でもツールを使いこなすことが可能で、手軽にグラフィックデザインができるサービスです。
初版の英語版は2013年にリリースされ、その後日本版も2017年頃にリリースされました。
Canvaが注目される理由(私見)
・YouTube、Twitter、Instagram等のSNSツールが普及したことで、個人でビジネスを立ち上げる人が増え、個人レベルでのアイコンやロゴ制作のニーズが上がっていること。
・従来のインストール型のツールとは異なり、クラウド型のツールなので、場所や端末に縛られずに手軽に使えるようになったこと。
・デザインのベースはテンプレートを使って進めるので、白紙の状況からデザインを始める必要がなく、より効率的にデザインできる。
Canvaのメリット
Canvaを使ってみて感じたメリットです。
●メリット1:省エネで効率的にデザイン
Canvaと既存のデザインツールで、何かクリエイティブをデザインする際の作業フローを比較してみました。
【既存ツール】
デザインの構想を練る→素材となる画像を探す→白紙のキャンバスでデザイン進める→レイアウトやフォントを調整
【Canva】
デザインの構想を練る→デザインテンプレートを選ぶ→テキスト、レイアウト、フォントを調整
一番の違いは、デザインテンプレートの有無でしょう。
Canvaは、ありもののデザインテンプレートを流用するので、ユーザーはその中からイメージに合致するものを探し、調整するだけなのです。
それでいて、オリジナリティ性(他社とデザインが被る)心配もあまりありません。
というのも、Canvaのデザインテンプレートは日々更新されていますし、フォントやレイアウトといったところはユーザーがカスタマイズできるのです。
●素材を検索して
●レイアウトを調整する
●メリット2:安心の日本語対応
Canvaの類似サービスは、調べれば他にも色々ございます。
ただそのほとんどが海外のサービスで、日本語対応していません。
ツールに慣れるまでに時間がかかったり、日本語が文字化けしてしまうケースもあります。
実はCanvaは、KDDIウェブコミュニケーションズという日本企業と正式に提携契約しています。
ですので、サイトが日本語対応されているのです。
日系企業がバックアップしているという事実は、我々日本人ユーザーとして安心できますよね。
●メリット3:用途が多彩
Canvaは、資料、ロゴ、動画、ポスター、チラシ、名刺等、デザインを伴うクリエイティブなら、何でもデザインできてしまうのもポイントです。
写真やオーディオ等、デザインに必要なコンテンツ素材も豊富に揃っています。
●メリット4:無料で始められる
Canvaは、無料で利用を始められるのも嬉しいポイントです。
Pro版にすることで、素材の種類や容量等がアップグレードされるのですが、無料版でも十分活用できます。
Canvaのデメリット
メリットのみならず、デメリットについても整理してみたいと思います。
今後改善される可能性もありますが、個人的に気になったポイントです。
●デメリット1:グラフ対応
現時点では、Canva内にExcelやCSVファイルといったデータを取り込めないので、容量の多いデータを使ったグラフ作成は難しいです。
グラフを作る機能自体はあるのですが、下図のように直接マニュアルでデータを打ち込んでいかなければなりません。
データのボリュームが多いケースでは、専用のインフォグラフィックツールを使った方がいいでしょう。
●デメリット2:素材のバリエーション
Canvaの素材は落ち着いたものが多く、競合サービスとなる「Placeit」なんかと比べると、ビジネスユースを意識したデザインが多い印象です。
凝ったプレゼンテーション資料の作成や、名刺用のロゴなんかを作成するケースには力を発揮しそうですが、ファンキーなゲーム用ロゴなどを作る際は、Placeitなど他のデザインツールを代用した方がいいと個人的には感じました。
以上です。
Canvaを使って、少し凝ったデザインの資料を作ったり、自分でロゴをデザインしてみませんか?
まだまだ新興サービスですが、今後もニーズは増えていくと思うので、早速使ってみましょう!