ここ最近Power BIの関心も高まってきているかと思うのですが、そもそもPower BIとは世の中に数あるBIツールの中の1つです。企業に蓄積されたデータを表現するツールとしてBIツールがあり、その選択肢の一つとしてPower BIがあります。
そのため、Power BIを正しく理解するためには、その前段にあるBIという概念について理解しておくことは重要だと考えます。
※こちらは内容を一部修正し2020年8月に再投稿致しました。
BIとは
まずBIとはBusiness Intelligenceの略称です。
特に決まった定義はないのですが、企業が持っているデータを集計したり加工したりすることで、ビジネス上の洞察=intelligenceを得る活動です。
経営者が経営の方向性を決めたり、マネジメントがチーム内で設定されたKPIを評価して打ち手を検討したり、オペレーション担当者が改善施策を検討したりと、ビジネスの「意思決定」に携わる全ての人が対象となり得るプロセスだと思います。
何故BIが重要なのか
一言で言えばデータという「事実」に基づいて正しい意思決定が行えるという点です。具体的に感じた主なポイントを以下にて記載してみました。
・過去のデータに基づいてKPIを設定し、その進捗/達成度をデータに基づいて図れる
・調達、営業、会計、人事等様々なビジネス上の機能やプロセスで活用できる
・ビジネス運営上で発生しそうな「問題」に気付いて事前に対策を打てるリスク回避効果
・色んな情報を束ねて表現するので、情報量が多い分意思決定の正確性が上がる
・大企業から中小企業まであらゆる企業体で活用できる
BIツールを導入時の主なステークホルダー
会社の規模や業種業態によっても変わるかと思いますが、一般的なステークホルダーです。
・レポートの開発者:データを抽出/加工してレポートを作成するBIの設計担当
・IT部門:主にBIを作成するための元データのメンテナンスを行ったり改善を担当
・ユーザー:実際にBIツールを利用しビジネスを改善していく人。経営者やオペレーション担当者等。
BIツール導入の注意点やデメリット
・コスト:ツールによって値段はピンキリなのですが、中には高いものもあるので、相対的に高く感じてしまう企業もあるかもしれません。
・複雑:そもそもBIツールに読み込ませるデータがなかったり、あったとしてもデータが分析できる形でないとデータをクレンジングする必要があり、このステップが結構複雑だったりします。
・即効性:BIツールはデータを可視化させるのが基本ですが、可視化とビジネスの改善は別なので、現場と会話しながら実際に機能するまで時間をかけて磨いていく必要があると感じます。
Power BI以外のBIツール
日系製品、外資製品など色々ありますが、幾つかサービスをピックアップしてみました。
・SAS
・Oracle Business Intelligence
・SAP Analytics Cloud
・Tableau ※先日セールスフォースに1兆7000億の破格で買収されました
・DOMO
・Qlik Sense
・Siscense
・Looker ※Googleが買収することが決まり日本でも有名になりました。2018年から日本法人も立ち上がっています
・Birst ※日本だとInforが代理店販売している
・Board ※スイスの会社
・Logi Analytic
ガートナー社が日本企業ユーザー企業にデータの利活用についてアンケートを取ったところ、全社的に利活用していると答えた企業の割合はたったの20%だったみたいです。人手不足の昨今、企業に眠っているデータを掘り起こし手有効活用し、効率のいい経営やビジネスの進め方を取り入れましょう。