Power BIの概要、使い方、利便性、料金等のまとめ


Power BIの使い方について一通りまとめてみました。

Power BIをこれから学習しようとしている人は、まずは本記事でその概要をざっくり理解いただければと思います。

そもそもBIとは

Power BIはBIツールの1つです。

Power BIを理解する前にまずはBIを理解する必要があります。BIとはBusiness Intelligenceの2単語の頭文字を取った略称です。

BIという言葉の定義は特に定められてなく、企業が持っているデータを集計したり加工したりすることで、ビジネスを推進していくための洞察=intelligenceを得る活動を指します。

それは経営者が経営の方向性を決めたり、マネジメント層が部門内のKPIを追ったり、現場が改善施策を立案したりと、ビジネスの「意思決定」に携わる全ての人が対象となります。

 

Power BIとは

データを集計したり複数のデータを紐付けて加工することで、グラフやチャートとして可視化させるためのアプリの一つです。

MicrosoftのExcel、Access、Power Pointといったアプリを知っている人が多いと思いますが、これら3つの機能を1つのアプリとして使えるようにまとめているイメージです。

可視化させたレポートは、クラウド上にアップロードが可能で、他のPower BIユーザーに共有できるのも特徴です。

 

Power BIを構成する3つの機能

Power BIは主に以下の3つの機能から成り立ち、それぞれを用途や目的に応じて使い分けることで利用していきます。

機能1.Power BI Desktop
手持ちのPCに直接インストールするアプリケーションです。データの加工、紐付け、可視化までの全てをこのアプリを使って進めます。

機能2.Power BI Service
Power BI Desktopで作成したレポートをアップロードするクラウド機能です。主に他人にレポートをシェアする際に使います。

機能3.Power BI Mobile
レポートをモバイル端末で見るための機能です。

詳しくは下記の動画でも説明しています。

 

Power BIの使い方

上述した3つの機能毎に解説していきます。

1.Power BI Desktopの使い方

レポートの開発を行うためのアプリです。
ここで開発と言っているのは、Power BIはDAX関数(後に詳述します)と特殊な関数を駆使してレポートを組み立てていくので開発と呼べるのかなと思います。実際社内でもPower BIのレポートを作る人を開発者と呼んでいます。

Power BI Desktopは下図の通り、「レポート」、「データ」、「リレーション」の3つの機能があり、これら3つの機能を活用しながら、レポートを完成させていきます。

・レポート:グラフやチャートなどのビジュアルを作成する

用途としては「データの集計」と「データをグラフ等に可視化」です。「データの集計」というのは、例えば日別のデータを年別に計算したり、単価と個数を掛け算して売上金額を出したりなど、データを計算することです。「可視化」というのは、集計したデータをユーザーが見やすいようなグラフ等に可視化させることを指します。

 

・データ:データを集計する

データの加工機能は、主にデータソースに変更を加える機能です。データの中の様々な情報に、日付/郵便番号といった意味付を行ったり、テキスト/整数といったデータの型のセッティングを行います。

※変更・更新されたデータのアップデート方法に関してはPower BI Desktopでデータを更新する方法でも解説しています。

 

・リレーション:複数のデータやマスタを紐付けて情報を付け加える

Power BIのリレーション機能は、Power BI Desktopにインポートした複数のデータを関連付けることです。データを関連付けることで、手持ちのデータに必要な情報がない場合、他の別のデータソースと紐づけることで情報を補完できます。例えば、小売企業が自社の店舗情報を地図上にプロットしたい場合、別のデータから緯度経度の情報を引っ張ってくることでプロットできるようになります。

 

2.Power BI Serviceの使い方

Power BI Desktopで作成したビジュアルレポートをアップロードできるクラウドです。主な目的は、他のPower BI ユーザーへの共有です。自分が所属する組織内に対してレポートを共有することで、コミュニケーションを活性化させ、ビジネスの改善を推進していきます。自分が作成したレポートを自分で見るのは無料ですが、他人に共有すると有料となります。

 

3.Power BI Mobileの使い方

名前の通り、レポートをAndroidかIos端末で見れる機能です。Power BIレポートを見るために、その都度パソコンを立ち上げていると手間と時間がかかるので、サクサクとレポートを見たい場合に最適な機能です。

 

DAX関数とは

Power BIでデータを集計するための関数です。Excelで数字の合計値を計算する時に「=sum(対象セル)」で集計するところ、DAX関数だと「=sum(テーブル,列)」です。Excelだと各セルレベルでの計算が中心ですが、DAXは列自体を集計していきます。

主に使うものとしては以下です。
合計を集計:SUM
割り算:DIVIDE
列を掛け算して合計を集計(単価×数量の場合等):SUMX
列内カウント:COUNT
列内の固有の数字のカウント:DISTINCTCOUNT
平均集計:AVERAGE
Excelの関数がある程度出来る人であれば、最初は少ししんどいですが、私の場合は1カ月程度でレポートが作れるレベルにまで上達できました。

詳しくは、Power BIのDAX関数とは何か、なぜ学ぶのかを見て下さい。

 

Power BIのメリット

1.分析テンプレートが豊富
2.ダイナミック分析とレポートの一元管理
3.常に最新の情報

※詳しくはPower BIを使ってみての感想 メリットデメリットを見て下さい。

 

Power BIのデメリット

1.メンテナンスが大変
2.データの読み込みが遅い
3.DAX関数を覚えるのが少ししんどい

※詳しくはPower BIを使ってみての感想 メリットデメリットを見て下さい。

 

Power BIの費用

Power BIの料金は利用したい機能によって異なります。

基本的に自分で勝手にレポートを作成して、それをクラウド上にアップロードして自分だけで閲覧するのは無料です。

それを他のメンバーに共有したい場合は、Power BI Proにアップグレードする必要があり、1ライセンス月間で$9.99かかります。例えば社内でレポートを共有したい人が100人いれば月間で$1000≒10万程度です。こちらはユーザー数に応じてコストが変動するプランです。

更に容量に応じて課金されるPower BI Premiumという大企業向けのプランもあります。

下記のMicrosoftのホームページより具体的な金額の見積が試算できます。
https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/calculator/

 

その他便利なこと/メリット

・レポートをPDFやパワポフォーマットとしてダウンロードできる
・Power BI Gatewayを使えば日々自動でデータが最新のものにアップデートされる
・メールで決まった日時に決まったレポートを配信できる機能がある
・英語の教材が豊富なので英語が出来る人なら効率的に学べる
・海外(特にインド人なんか)はもはやExcelは使わず、全てPower BIで完結させる

 

その他不便なこと/デメリット

・DAX関数が間違っていたり、データのフォーマットが異なるとレポートがエラーとなりしんどい
・データそのものに対する変更が加えずらい
・同じファイル名のデータをインポートすると上書きされないから、DAX関数がやり直しなることがある(ちょっとイメージわかないかもしれないですが、使っているとハマります)
・便利だけど、独学で1から学ぶのは結構しんどい(しんどいけど可能です)
・Microsoftのホームページの日本語解説がただの英訳になっていてわかりずらい(ぶっちゃけてすみません)
・日本語教材少ない

 

Power BIのポテンシャル

下記はPower BIのGoogeトレンドの結果ですが、ここ数年Power BIの注目度は国内外で年々急増しています。
私自身、外資系企業に転職して初めて知ったアプリですが、海外の拠点ではPower BIを使ったレポーティングが標準になっています。Power Point、Access、Excelを使っていると、時代遅れだと軽くバカにされます。

【Googleトレンド:全ての国のPower BI人気度】

 

Power BIを更に学びたいなら

Power BIが学べる動画や書籍をまとめましたので参考にしてみて下さい。

Power BIの学習教材のまとめ オンライン講座と書籍

 

また下記にてPower BIを使ったテンプレートレポートも紹介しています。興味があれば合わせて参考にしてみて下さい。

Power BI テンプレートレポートを見る