BATICのメリットとデメリット 独学で8割正解した勉強方法(Subject1)


BATIC(国際会計検定)という検定試験をご存知でしょうか。

簿記検定なんかと比べると、その認知率はまだまだ低いかもしれませんが、国内では数少ない国際会計検定試験の1つです。

私も簿記2級合格後に色々調べている中で初めて知り、手始めにSubject1のみの受験してみましたが、点数としては345点/400点で目標としていたAccountantレベルは達成出来ました。

合格してから時間が経ってしまいましたが、資格試験取得しての感想を簡単に共有したいと思います。

 

BATICとは?

東京商工会議所が主催する、英語による簿記・会計に関する知識の習熟度を試す試験です。

実は会計というのは、各国毎で会計基準というものがあって、日本の場合は日本基準の会計ですが(J-GAAPと呼ばれる)、米系企業では米国会計基準(USGAAPとも呼ばれる)という異なる会計基準が採用されています。

また欧州なんかでは、国際会計基準(IFRS)というものが使われていることもあり、実は各国毎に会計基準が異なっています。

そしてBATICは、この米国基準や国際会計基準の知識を測る検定試験です。

簿記のように結果が「合否」ではなく、TOEICのように「点数」で習熟度を測れるのも特徴です。

試験は大きくSubject1の英文簿記とSubject2の国際会計理論に分かれていて、両方受験してもいいですし、それぞれ別々で受験することも可能です。

ちなみに試験は年に2回、7月と12月に実施されます。

※2021年からWebでの検定試験となり、365日いつでも受験可能となってようです。詳細は公式HPより確認下さい。

 

何故BATICを受験しようと思ったか

元々簿記2級は持っていて、簿記2級に合格した後簿記の知識をどう伸ばしていこうかと考えた際、会計知識をグローバルに展開したいと思い色々調べた結果、BATICを知りました。

簿記2級レベルの知識で受験できる会計系資格はBATICぐらいしか見つからず(1つ上のUSCPAもあるが)、迷わずに勉強を始めて受験しました。

※参考:簿記2級を取得した感想 メリットとデメリットにてご確認下さい。

 

BATICを学習するメリット

下記がBATICを学習し受験してみて感じたメリットです。
主に簿記検定と比較してみての感想です。

 

1.ビジネス英語の強化にも繋がる

BATICの試験は全て英語で行われます。問題文から解答まで全て英語です。

ですので、BATICを通じて国際会計が学べるだけでなく、必然的に英語の勉強も兼ねることになり、会計&英語の両方を一気に学べるので一石二鳥です。

もちろんその分テスト勉強の負荷は高まりますが、ビジネス英語が学べる機会はそう多くはないので、良い機会にもなります。

TOEIC等のスコアアップなんかにもつながりますので、英語のスキルの向上も目指したい人にはおすすめです。

 

2.Subject1と2別々で受験可能

BATICの試験はSubject1と2の2つに分かれていて、それぞれを別日程で受験することも可能です。

ちなみに試験費用も各Subject分のみの受験料でOKです。

勉強時間をなかなか確保できない場合Subject1か2のどちらかに絞ることも出来ますし、試験費用も安く抑えられるので経済的です。

自分もそうでしたが「ちょっと様子見で国際会計を勉強してみたいな」という人にはピッタリです。

 

3.将来性が高い

日本には日本独自の会計基準がありますが、昨今日系企業のグローバル化が進んだ結果、IFRSを導入する日系企業が増えてきています

もう既にIFRSへの移行が完了している企業も多いですが、今後もこの傾向は続くと見られていて、スキルのニーズとしても高いと考えます。

求人検索で「IFRS 導入」と検索してみると、結構の数の求人が出てくることが分かります。

BATICを通じて国際会計を学び、実務で経験を積むことで、将来性の高い国際会計経理担当として活躍することも可能です。

 

BATICを学習するデメリット

デメリットはあまりないかと思いますが、簿記やTOEICといった他の資格と比較した場合に感じたことを書いてみます。

1.対外的に伝わりずらい

簿記やTOEICなんかと比べると、BATICは国内ではあまり知られてないです。

例えば採用面接の際に「BATICで900点を持っています」とアピールしたところで、スコアとしてはかなりすごいことではありますが、資格そのものの認知が低いので相手に伝わりずらいのが難点です。

 

2.スキルのレベルが測りずらい

BATICの資格は点数で結果が出てきます。Subject1とSubject2の合計で1,000点満点です。

実はBATICは、取得した点数に応じて4段階別でのレベルに分かれているのですが、正直この区分けが分かりずらいです。

~319点:Book Keeperレベル
~699点:Accountantレベル
~879点:Accounting Managerレベル
~1000点:Controllerレベル

一般的企業における職種としての「Controller」の仕事は、かなり高い職位のレベルですし、何を基準にControllerといっているのかが分かりずらいです。

BATICでControllerレベルだからといって、外資系企業でのController職が務まるかと言われると難しいような気がします。。。

その点で、BATICの点数を実務でのスキルとして結び付けづらいのが難点です。

BATICの学習方法

BATICの学習方法ですが、大きく「独学で勉強」か「予備校に通う」かのどちらかだと思います。

自分の場合は簿記2級を既に持っていたことと、TOEIC985点と英語には不自由なかったので、独学で進めました。

なお詳細はこちらの記事にまとめているので参考にしてみて下さい。

 

独学での学習方法

独学での学習方法は、基本的には「公式テキスト」と「過去問題集」を使って進めました。

調べてみると分かりますが、BATICは参考書が非常に少なく、教材の点では選択肢がとても限られます。

過去問を見てテストの出題傾向を分析しつつ勉強を進めていくのが効率がいいと思います。

 

1.公式テキスト

公式テキストは一通り目を通しました。国際会計基準と言えど、考え方は簿記2級と重なる部分が多く、比較的理解はしやすいです。

 

2.過去問

BATICは毎年似たような問題が出題される傾向にあるので、過去問は結構重要です。

間違えた問題は再度解きつつ、出来る限り多くの過去問をこなしていくことで理解を深めていきました。

 
 

スクールでの学習方法

独学に比べると費用は高いですが、講師による解説付きなので分からないところは直接聞けたり、動画による解説だったりと理解が深まる方法です。

映像通学を導入している「資格の大原 」や「TAC」でBATIC対策講義が開講されています。

※参考:BATIC(国際会計検定)の学習方法まとめ

 

 

BATIC取得後の方向性

BATICの勉強を始める上で、BATIC取得後のイメージを持っておくことは勉強のモチベーションを維持する上でも重要です。

以下自分が勉強する際に考えた選択肢です。

1.米国公認会計士

会計×国際の上位資格として、真っ先に思い浮かぶのが『米国公認会計士』です。

米国公認会計士(USCPA)は、日本のみならず世界でも通用する会計士資格ですし、財務会計領域におけるキャリアの選択肢も大きく広がります

簡単な資格ではないですが、長い時間をかけてコツコツと勉強することで合格を目指すのもいいと思います。

自分もこちらの道を目指して、先日無事に合格できました。

興味があれば、USCPAを取得して感じたメリットとデメリットを参考にしてみて下さい。

 

2.キャリアチェンジして実務経験を積む

国際会計の分野でキャリアを構築していこうと考えているのであれば、例えば「財務モデリングスキル」や「財務戦略スキル」といった実務で活かせる知識を習得し、まずは社内での部署異動等を通じて会計に関する実務経験を手に入れるという方向性もいいかと思います。