「WordAI」で記事を書いて感じたメリットでデメリット


突然ですが「Word Spinning」という言葉はご存知でしょうか。

日本ではほとんど使う機会がないのかなと思いますし、私も知りませんでしたが海外では英語圏の国を中心に注目されつつあります。

これはカンタンに言うと、他人が書いた記事の言葉や言い回しを変えて全く新しい記事を作る技術のことです。

言葉を類似語に変換させたり、文の順番を入れ替えたりして実現しています。

そしてこのWord Spinning技術を提供する筆頭会社が「WordAI」という企業名兼サービス名です。

当然技術としては盗作に近く倫理的には問題があるような気もするので、個人的には推奨したくないのですが、こうした技術が現実としてあるということなので調目的の意味でも一度使ってみることにしました。

 

AIでより巧妙化しつつある

実はWord Spinning技術(Article Spinningともいう)はここ最近出てきた最新技術でもなんでもなく、その手法としては結構昔からあります。

私も昔中学校ぐらいの時に記述式の課題に取り組んでいる時は、Wikipediaから情報を取ってきては少し文言を変えたりなんかしてました。。。これもWord Spinningと言えばそうです。

【Googleトレンド:Word Spinningで検索】

Googleトレンドを見ると2008年頃から徐々に検索トレンドで人気が上がってきているのが分かります。

ただ言語対応が現実的に英語のみ(Googleトレンドの地域別インタレストも英語圏のみで検索されているのが分かります)で、昔は文の中の単語を類似語に変える程度の技術でしたので急速に流行ることはありませんでした(もちろんPlagiarismに厳しいアメリカ社会に受け入れられなかったのもあると思いますが)。

またGoogleの検索エンジンは基本的に記事のコピーに対してかなり厳しいです。

こうしたちょっとした単語を変更しても直ぐにコピーコンテンツだと認識します。

そのためライターがWord Spinningを使うインセンティブがあまり働かなったというのもあります。

ただこの言語処理領域というのは実はAIが得意とする領域でもあります。

そしてここ最近AIが発展してきたことで、Word Spinning技術もより巧妙に進化してきているらしく、Google・人の目をかいくぐるようになってきているという情報も見たりします。

 

実際に記事をSpinしてみました

とはいえ実際に使ってみないと何事もわからない!ということで早速WordAIに登録して1つ記事をSpinしてみました。

とっつきやすそうな記事ということで、読売新聞から鬼滅の刃について書かれていた記事で試してみました。

◎記事原文:Demon manga features unique kind of protagonist

◎文字数:578文字

◎記事はここ最近人気の鬼滅の刃に対する考察です。ざっくりと要約すると、殺人シーンが多かったりと漫画として残酷な側面がある一方で、家族の絆の大切さを伝える側面も描かれていて(炭次郎のみならず滅される鬼に関しても)、こうした鬼滅の刃の「少年漫画」としての評価について書かれています。

 

1.WordAIに記事を貼り付けます

テキストボックスの中に記事をそのままコピペで貼付けるだけです。

 

2.諸々記事変換にあたっての設定を行います

記事の変換の程度を設定できます。記事の左がVery Readableでなるべく少なめの変換、右がVery Uniqueとなっていてより多くの言葉を変換する設定になります。

その他にもPerfect Tenseという文法を修正する手順を設定できたり、変換結果について設定できます。

今回は上図の通りデフォルトの推奨設定で進めてみました。

 

3.しばらく待ちます

 

4.変換結果

しばらくすると変換結果が表示されました。

変換結果の最上部には、Spintaxと表示された原稿が表示されていますね。

これは記事原文の中でWordAIが「変換可能」と判断した言葉とその候補を返しているようです。

[]の中に複数の単語があるのですが、それをクリックすると単語が確定します。

ロボットはあくまで言葉の候補は出してくれますが、記事は確定させません。言葉選びの最終判断は人間が行うようです。

 

ただ、更に下の方にスクロールすると、言葉選びまでWordAIのロボットが判断して完成させた文も出てきます。

A Spinと抱えた複数の記事文の候補が出てきます。

この中から適切だと思うものを選択します。

 

感想

今回変換結果の原稿を色々読んでみましたが、正直原文が一番読みやすかったです。

感覚的なものだとは思いますが、原文はもちろん人が書いてますので、人が人に話すときに使う話言葉で書かれています。

一方Spin結果の原稿は、主語述語や構文も正しく作られてはいるのですが、無理やり新しい記事を作ろうとしているので若干分かりずらい部分もあります。

出だしだけ見ても、

◎原文の原稿

The most talked-about manga of 2019 was the mega-hit “Kimetsu no Yaiba” (Demon Slayer). Its boom in popularity was triggered by the TV anime series that aired from April to September. With the publication of the latest volume, No. 19, in February, cumulative sales have reached over 40 million copies (including both physical and digital versions), and the momentum is unstoppable. Some are even saying that it’s become a social phenomenon.

◎Spin原稿

The maximum talked-about manga of all 2019 was the mega-hit”Kimetsu no Yaiba” (Demon Slayer). Its boom in popularity was triggered by the TV anime show which aired from April to September. Together with the publication of the latest volume, No. 19, in February, cumulative earnings have reached over 40 million copies (including both physical and electronic variations ), along with the momentum is unstoppable. Some are saying that it’s become a social happening.

maximumは最大のという意味ですが、maximum capacityのように最大の上限の使い方をするケースが多いです。ここではキャパの話をしているわけではないので若干不適切な気がします。

salesをearningにしていますが、earningはどちらかというと収益の意味として使われることが多いです。salesは売上として使われることもありますが、売れた数のようにもっと広義の意味で使われることが多いです。

やはり機械が変換しているので、分かりずらい部分は多少なり仕方ないかなとは思います。

ただSpinされた原稿の方も「意味」は全然理解できます。機械的に変換しているので読みづらさは感じますが、機械の仕事としてはかなり上等なものではないでしょうか。

今後更に学習して賢くなる可能性もありますし、引き続き動向チェックしていきたいと思います。

興味がある人は3日間の無料サービス期間もあるので、自分の目で見て確かめてみるのもいいかもしれません。

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